傷病手当金

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乳がんの告知を受けた時、抗がん剤治療や手術のことを考えると「仕事は続けられないなぁ」「会社は辞めようかなぁ」とも考えましたが、勤務先と相談して、1年半の休暇とその間は傷病手当金をもらえるように取り計らっていただきました。

会社員で協会けんぽや健康保険組合に加入している方は、自営業(国民健康保険)の方よりも優遇されているなぁと感じる制度です!!
ガンと闘うには絶対に活用すべき制度なので、ここで詳しく解説しますね。

傷病手当金について
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傷病手当金とは

傷病手当金は、被保険者が病気やけがで労働不能になった場合に、その間の生活費を支えるための経済的支援を目的としています。一定の条件を満たすことで受給でき、労働能力を失った期間に対する所得の一部を補填してくれます!

傷病手当金の対象者について

傷病手当金の受給対象となるのは、主に以下の条件を満たす被保険者です。

  1. 健康保険の被保険者であること
    健康保険組合や全国健康保険協会(協会けんぽ)などに加入していることが必要です。
    自営業の方(国民健康保険)には傷病手当金の制度はありません。
     
  2. 業務外の病気やけがによる療養のため働けないこと
    仕事中や仕事が原因で発生した病気やケガは労災保険の対象となるため、傷病手当金の対象にはなりません。その場合は会社で労災保険の申請を行ってもらいましょう。
     
  3. 連続する3日間の待機期間を経過していること
    病気やけがによって連続して3日間以上仕事を休んだ場合に、その4日目から傷病手当金が支給されます。待機期間は連続していれば、土日祝日も含まれますし、有給休暇を使った場合でも休みにカウントされます。
     
  4. 給与の支給がないこと
    療養のために働けず、その間に給与が支給されないことが条件となります。
    ただし、給与が一部支給される場合でも、その額が傷病手当金より少ない場合は差額が支給されます。※すでに年金を貰っている場合も差額調整されます。

支給額

傷病手当金の支給額は、以下のように計算されます。

  • 支給額の日額 = (直近12か月の標準報酬月額の平均) ÷ 30 × 2/3

例えば、直近12か月の標準報酬月額の平均が30万円の場合:

  • 日額 = 30万円 ÷ 30 × 2/3 = 約6,667円

したがって、1日に約6,667円の傷病手当金が支給されます。
この手当金は、待機期間を除く労働不能の各日に対して支給されます。
申請には会社から給与が支給されていないことの証明書と、医師から療養中で、その間働けなかったことを証明する書類が必要になるため、多くの人は給与の締めに合わせて1ヶ月単位で申請するケースが多いのではないかと思います。
ちなみに医師による意見書(傷病手当金意見書交付料)は自己負担になり1,000円程度が相場ですが、こちらも保険適用されるので、3割負担の場合は300円くらいで済みます。ケチらず1ヶ月単位で申請するのが良いと思います。。

6,667円×30日=200,010円!!

1ヶ月20万円あれば高額療養費制度も活用して、がん保険無しでも生きて行けそうですね!!

支給期間

傷病手当金は、最長で1年6か月間支給されます。
この期間は、連続して支給される場合だけでなく、途中で回復して仕事に復帰し、その後再び病気やけがで働けなくなった場合にも支給されます。

健康保険法の改正前の支給期間は、同じ病気やケガについて、支給開始日から起算して1年6カ月でした。この間、仕事に復帰した期間があったとしても、対象期間に含まれてしまうため、復職した期間が長ければ長いほど、傷病手当金を受給できる期間が短くなってしまう働き損が生じていました。
改正後の2022年1月1日からは、同じ病気やケガについて、支給開始日から通算して1年6カ月となりました!!これにより、ガンの闘病生活中でも仕事を休んだり復帰したりを繰り返しても働き損がなくなりましたので、良い改正だったと、私は思っております。。

申請手続き

傷病手当金の申請には、以下の書類が必要です:

  1. 傷病手当金支給申請書
    健康保険組合や協会けんぽから取得できます。この書類には、被保険者自身が記入する部分と、医師が診断書を記入する部分、そして事業主が労務不能の状況を証明する部分があります。

    協会けんぽの申請書ダウンロードはこちら→全国健康保険協会
    ※手書き用とパソコンで入力用のPDFがダウンロード可能です。
     
  2. 給与の支給状況に関する証明書(3ページ目)
    事業主から、申請期間中に給与が支給されていないことを証明する書類が必要です。
    会社に書いてもらう欄となります。
     
  3. 医師の記入欄(4ページ目)
    診断書には、病気やけがの詳細や、療養が必要な期間が記載されます。
    病院で療養担当医に書いてもらう欄となります。

受給中の注意点

傷病手当金を受給している間には、いくつかの重要な注意点があります。

  1. 療養専念の義務
    傷病手当金を受給するためには、療養に専念し、就労しないことが求められます。
    療養の一環としてリハビリを行うことは問題ありませんが、労働とみなされる行為は避ける必要があります。パートやアルバイトももちろん禁止です!
     
  2. 定期的な診断書の提出
    受給期間中は、定期的に医師の診断書を提出することが求められます。
    これにより、健康保険組合や協会けんぽは、継続して療養が必要であることを確認します。
     
  3. 収入の報告義務
    受給中に何らかの収入が発生した場合、その詳細を報告する必要があります。
    報告を怠ると、過剰に支給された手当金の返還を求められることがあります。

他の給付との調整

傷病手当金は、他の給付金や保険金と調整されることがあります。
老齢年金を受給している場合や、雇用保険の失業給付を受ける場合などです。
これらの調整により、重複して受給することができない場合や差額調整される場合があります。

傷病手当金のメリットとデメリット

傷病手当金にはいくつかのメリットとデメリットがあります:

メリット

  1. 経済的支援
    傷病手当金は、病気やけがで働けなくなった際の生活費を補助するため、経済的な安心感を提供してくれます。
     
  2. 療養に専念できる
    経済的な心配が軽減されるため、安心して療養に専念できます!
     
  3. 長期的な支援
    通算して最長1年半の支給があるため、乳ガンのような長期的な療養が必要な場合でも闘病しながらも働くといったライフスタイルを維持できます。

デメリット

  1. 支給額の制限
    傷病手当金の支給額は標準報酬月額の2/3であり、元の給与額よりは少ないため、生活費全額をカバーできない場合があります。※それでも土日祝も関係なく支給してくれるので大変ありがたいですが。。
     
  2. 待機期間
    最初の3日間は支給されないため、3日以内の短期間の病気やけがの場合には手当金をもらえない場合があります。
     
  3. 申請手続きの複雑さ
    申請には複数の書類が必要であり、医師や会社(事業主)の協力が必要となるため、手続きが煩雑に感じることがあるでしょう。

傷病手当金の歴史と制度の背景

傷病手当金の制度は、社会保険制度の一環として設けられたもので、その起源はドイツのビスマルクによる社会保障制度に遡ります。
日本では、昭和2年(1927年)に「健康保険法」が制定され、傷病手当金の制度が導入されました。
この制度は、労働者が病気やけがで労働不能になった際に、その生活を保障するための重要な役割を果たしてきました。

海外の類似制度

傷病手当金に類似した制度は、多くの国で存在します。

  • ドイツ
    Kranken­geld(病気手当金)は、最初の6週間は会社(事業主)が支払い、その後は健康保険から支給されます。
     
  • イギリス
    Statutory Sick Pay(法定病気手当)は、最初の28週間は会社(事業主)が支給します。
     
  • アメリカ
    短期障害保険(Short-term Disability Insurance)は州ごとに異なる制度があり、カリフォルニア州など一部の州で導入されています。
     
    こうやって見ると、日本は他の国に比べて、会社(事業主)に優しい制度だと感じますね。。

傷病手当金と税金

傷病手当金は非課税所得であるため、所得税や住民税は課税されません。
しかし、産前産後休業や育児休業とは違い、社会保険は免除されません。
厚生年金保険料や健康保険料、介護保険料は受給した傷病手当金から支払う必要があります。
このとき支払う社会保険料は傷病手当金受給額を元に計算されるのではなく、標準報酬月額を元に計算された額になります。完全に休職中であれば、支払方法は会社との相談になりますが、毎月勤務先に振り込むのが一般的かと思います。

傷病手当金の改善と課題

傷病手当金の制度には、いくつかの改善点と課題があります:

改善点

  1. オンライン申請の導入
    申請手続きの煩雑さを解消するため、オンライン申請の導入が進められています。
     
  2. 支給額の見直し
    生活費を十分にカバーできるよう、支給額の見直しが議論されています。
     
  3. 待機期間の短縮
    待機期間を短縮することで、短期間の病気やけがの場合でも支援が受けられるよう改善が求められています。

課題

  1. 財源の確保
    支給額や支給期間の拡充には財源が必要であり、財源の確保が課題となっています。
     
  2. 周知不足
    制度の周知が不足しているため、受給できるにもかかわらず申請しないケースがあります。
    社会保険制度やふるさと納税、ideco、新NISAなどなど、知らないと損をする国の制度は他にもたくさんあるので、受験はしなくてもお金の勉強(FP3級の資格試験がおすすめ)をしておくのはおススメですよ!!
     
  3. 適正な受給の確保
    不正受給を防ぐための監視体制や、適正な受給を確保するための制度の整備が必要です。

傷病手当金の活用例

傷病手当金は、様々な状況で活用されています。

  • 長期療養が必要な場合
    慢性疾患や手術後の長期療養が必要な場合に、生活費を補助するために利用されます。
     
  • 精神疾患による休職
    うつ病やストレス関連の障害で休職する際にも、傷病手当金は重要な支援となります。
     
  • 怪我による療養
    交通事故やスポーツ中のけがで長期間の療養が必要な場合に、経済的な負担を軽減する役割を果たします。

まとめ

傷病手当金は、被保険者が病気やけがで働けなくなった際に、生活費を補うための重要な支援制度です。適切に申請し、条件を満たすことで受給することができます。
申請手続きや受給中の注意点をしっかりと理解して、ぜひ活用して下さいね!!

私もガン保険には入っていませんでしたが・・・
この制度があったおかげで、本当に助かっております。。

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